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八重洲・東京駅の商社・卸M&A|取引先と在庫を守る譲渡準備

2026 7/09
コラム
2026年7月9日
八重洲・東京駅周辺の商社・卸売業M&Aについて経営者とアドバイザーが相談している様子

八重洲、東京駅、日本橋、京橋周辺には、メーカー、輸入商社、専門商社、卸売業、販売代理店、物流会社、法人向けサービス会社が密に集まっています。実際の倉庫や加工拠点は湾岸部、城東、城北、埼玉、千葉、神奈川にあっても、営業本部、経理、購買、海外取引の窓口を東京駅周辺に置く会社は少なくありません。こうした商社・卸売業がM&Aや会社売却を検討するとき、決算書だけを見ても本当の価値は伝わりにくいものです。

商社・卸売業の価値は、商品そのものだけでなく、仕入先との信頼、販売先との継続取引、在庫を持つ判断、与信管理、納期調整、クレーム対応、輸入通関、為替対応、営業担当者の関係性、業界内での評判に支えられています。数字の上では同じ粗利率でも、どの取引先から生まれている利益なのか、どの仕入先との関係で守られている商流なのかによって、候補先が見る評価は大きく変わります。

一方で、商社・卸売業のM&Aは情報管理が特に難しい領域です。主要取引先名、仕入条件、価格表、販売先ごとの粗利、与信枠、回収条件、在庫評価、海外仕入先、独占販売権、担当者名が早い段階で広がると、取引先や従業員に不要な不安を与える可能性があります。八重洲や日本橋、京橋のように、金融機関、士業、同業者、取引先が近い地域では、社名を伏せたまま進めるノンネーム管理が重要になります。

本稿では、八重洲・東京駅周辺で商社・卸売業のM&Aを検討する譲渡企業様に向けて、初期相談前に整理したい実務論点をまとめます。八重洲M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・成功報酬をいただかない方針で初期相談を行っています。ただし、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士など外部専門家へ個別に依頼する費用は、案件により別途発生する可能性があります。費用と秘密保持の考え方も含め、最初の段階で落ち着いて確認することが大切です。

この記事で整理すること

  • 八重洲・東京駅周辺の商社・卸M&Aで候補先が見る価値
  • 取引先、仕入先、在庫、与信、外為を社名非公開で整理する方法
  • 従業員、契約承継、取引先説明、譲渡後100日の実務
  • 譲渡企業様の着手金・中間金・成功報酬0円の考え方と外部専門家費用の分け方
目次

八重洲・東京駅で商社・卸M&Aの相談が増える背景

東京駅周辺は、営業、金融、士業、物流、海外取引の接点が集まりやすい地域です。商社・卸売業の本社や営業拠点が八重洲、日本橋、京橋にある場合、実際の商品は倉庫や工場を経由していても、意思決定や大口取引の交渉はこの地域で行われていることがあります。M&Aの相談では、登記上の所在地だけでなく、どの商流とどの顧客接点に支えられている会社なのかを整理します。

商社・卸売業の経営者様がM&Aを考える背景には、後継者不在だけでなく、仕入価格の上昇、物流費の上昇、為替変動、人材採用の難しさ、海外調達の不安定化、与信リスクの増加、電子受発注への対応、インボイスや電子帳簿保存への対応、主要取引先の購買方針変更などがあります。長く続いてきた商流ほど、日々の取引は回っていても、次の十年を一人で担うことに不安を持つことがあります。

候補先から見ると、商社・卸売業には魅力があります。新しい販売先、専門商品、仕入ルート、営業担当者、在庫運用、輸入実務、法人顧客との信頼をまとめて引き継げる可能性があるためです。新規開拓で同じ商流を作るには時間がかかるため、既存の取引基盤を持つ会社は関心を集めます。ただし、候補先は売上規模だけで判断しません。取引が譲渡後も続く根拠と、在庫や与信のリスクを慎重に見ます。

商社・卸売業の価値は、粗利率だけでは説明できません

商社・卸売業のM&Aでは、売上高、粗利率、営業利益、在庫回転、得意先数、仕入先数、月次推移、回収サイト、支払サイトなどの数字が重要です。しかし、それだけで会社の価値を説明することはできません。同じ粗利率でも、長年の代理店契約に支えられているのか、営業担当者の属人的な関係に依存しているのか、在庫を持つことで納期対応力を出しているのか、受注後に仕入れる低リスク型なのかによって、候補先の見方は変わります。

たとえば、特定メーカーの商品を深く扱う専門商社、複数メーカーを組み合わせて提案する卸売業、輸入品を国内顧客へ販売する商社、法人向け消耗品を安定供給する会社、工事会社やメーカーの購買部門を支える会社では、価値の源泉が違います。M&Aの準備では、売上を大きく見せることよりも、売上が続いている理由を説明できるようにすることが大切です。

譲渡企業様が最初に行うべきことは、数字と商流をつなげることです。商品カテゴリ別、得意先別、仕入先別、担当者別、地域別、輸入品と国内品の別、定期注文とスポット注文の別を、分かる範囲で整理します。完璧な分析資料がなくても構いません。経営者様が日々感じている「この顧客は納期対応を重視する」「この仕入先は長年の信頼で価格を守ってくれている」「この商品は代替が少ない」といった実感を、候補先に伝わる言葉へ整理していきます。

取引先名は、初期段階では伏せて構造で伝えます

商社・卸売業の会社売却では、主要得意先の存在が大きな価値になります。ただし、初期段階で得意先名や担当者名を候補先に開示することは慎重であるべきです。法人取引であっても、価格条件、購買方針、担当者情報、発注量、与信状況は営業秘密に当たる場合があります。初期相談では、社名ではなく、業種、取引年数、売上構成、発注頻度、回収条件、継続性を抽象化して整理します。

ノンネーム資料では、特定されにくい範囲で顧客構成を示します。たとえば「首都圏の中堅メーカー向けが売上の約三割」「建設関連の法人顧客が中心」「医療機関向け消耗品の継続注文が多い」「海外ブランド品を国内代理店経由で販売」といった表現です。候補先が本格的に検討する前から、取引先名を広く開示する必要はありません。秘密保持契約後も、段階的に開示する順番を決めます。

特に注意したいのは、候補先が同業である場合です。同業候補は商流への理解が早い一方で、取引先や仕入先が重なる可能性があります。情報を開示する前に、競合関係、既存取引先との重複、情報利用の範囲、面談参加者、資料の管理方法を確認します。秘密保持契約を結んだとしても、譲渡企業様が不利にならないよう、見せる情報と守る情報を分ける設計が必要です。

仕入先・メーカー契約は、商流を守る中心論点です

商社・卸売業では、仕入先やメーカーとの関係が価値の中心になることがあります。長年の代理店契約、販売店契約、独占販売権、特約店制度、年間リベート、販売奨励金、最低購入数量、価格表、納期優先、技術サポート、返品条件など、契約書や慣行を整理します。候補先は、譲渡後も同じ仕入条件を維持できるかを確認します。

契約書がある場合は、譲渡、株主変更、支配権変更、競合商品の取り扱い、再委託、秘密保持、解除条項を確認します。株式譲渡であっても、取引基本契約に「支配権が変わる場合は通知が必要」といった条項があることがあります。事業譲渡の場合は、仕入先との再契約や承諾が必要になることもあります。形式だけで判断せず、契約文言と実務慣行の両方を確認します。

口頭の信頼で続いている仕入先もあります。長年の付き合いで価格や納期を守ってもらっている場合、その関係をどのように候補先へ引き継ぐかが重要です。代表者が仕入先へいつ、どのように説明するのか、引継ぎ面談に同席するのか、一定期間顧問として関与するのかを検討します。仕入先との信頼を崩さずに進めることが、譲渡後の安定に直結します。

在庫は、価値にもリスクにもなるため早めに棚卸しします

商社・卸売業のM&Aでは、在庫の扱いが大きな論点になります。帳簿上の在庫金額、実在庫、滞留在庫、廃番品、返品可能品、受注残に紐づく在庫、展示品、預け在庫、委託在庫、輸入中の在庫を分けて確認します。候補先は、在庫が販売可能な資産なのか、評価減が必要なリスクなのかを見ます。

在庫回転が速い商品は価値になりやすい一方、長期滞留品は価格交渉の論点になります。特に規格変更、モデルチェンジ、賞味期限、使用期限、保証期限、温度管理、法規制、輸入規制がある商品では、在庫評価を慎重に行います。帳簿上は資産であっても、実際に売れない商品であれば、候補先は慎重になります。譲渡企業様としては、在庫を隠すのではなく、販売見込みや処分方針を整理することが大切です。

倉庫や物流拠点の契約も確認します。自社倉庫、外部倉庫、三温度帯倉庫、危険物保管、海外倉庫、メーカー倉庫からの直送、顧客先への預け在庫など、商品がどこにあり、誰が管理しているかを整理します。M&A後に倉庫契約を引き継げるか、保管料や配送費が変わるか、在庫移管が必要かを確認すると、候補先との検討が進みやすくなります。

与信・回収サイト・支払サイトは、利益より先に見られることがあります

商社・卸売業は、商品を動かす前後で資金が大きく動きます。売掛金、買掛金、手形、電子記録債権、前払金、前受金、保証金、輸入決済、信用状、為替予約など、資金繰りに関わる論点が多くあります。営業利益が出ていても、回収サイトが長く、在庫負担が重く、仕入先への支払いが先行する会社では、候補先が運転資金を慎重に見ます。

与信管理では、得意先ごとの売掛残高、回収遅延、貸倒履歴、与信枠、取引停止基準、保証会社や信用調査の利用状況を整理します。長年の付き合いだから大丈夫という感覚だけでは、候補先には伝わりにくいことがあります。過去に遅延があった場合も、どのように回収し、どのように再発を防いでいるかを説明できれば、検討は進めやすくなります。

支払サイトも重要です。仕入先への支払い条件が長年の信用で成り立っている場合、譲渡後に同じ条件が維持されるかを確認します。候補先の信用力によって条件が良くなることもあれば、再審査が必要になることもあります。M&Aの準備では、売掛金と買掛金の年齢表、主要取引先ごとのサイト、滞留債権の有無を整理しておくと、財務確認がスムーズになります。

輸入・外為・通関の実務は、担当者と手順を残します

輸入商社や海外仕入を行う卸売業では、外為、通関、貿易条件、船積み、保険、検品、納期調整が価値にもリスクにもなります。インコタームズ、輸入者名義、通関業者、フォワーダー、海外送金、信用状、為替予約、関税、消費税、原産地証明、輸入規制、検疫や安全規制を確認します。これらは社内の特定担当者に知識が集まっていることが多く、引継ぎ設計が欠かせません。

為替変動への対応も候補先が見るポイントです。円安時にどのように価格転嫁しているのか、仕入先との価格改定時期はいつか、顧客への値上げ交渉はどのように行っているのか、在庫評価に為替がどう影響するのかを整理します。過去の値上げが顧客離れにつながっていない場合は、販売力の説明材料になります。反対に、価格転嫁が遅れて利益が圧迫されている場合は、改善余地として説明できます。

海外仕入先との関係では、契約書だけでなく担当者同士の信頼が大切です。英語や現地語でのやり取り、時差対応、品質クレーム、サンプル手配、規格確認、出荷前検品など、日々の運用が属人的になっている場合があります。譲渡企業様は、担当者、連絡経路、過去のトラブル、解決方法を整理し、候補先が引き継げる状態を作ります。

営業担当者と受発注担当者の承継が、商流の安定を左右します

商社・卸売業では、人材が価値の中心になることがあります。営業担当者、受発注担当者、購買担当者、在庫管理担当者、経理担当者、貿易実務担当者、品質クレーム対応担当者など、商流を支える人の役割を整理します。候補先は、従業員数だけでなく、誰が主要顧客と関係を持ち、誰が仕入先と交渉し、誰が納期調整を行っているのかを見ます。

雇用条件の確認では、給与、賞与、勤務時間、営業手当、出張費、在宅勤務、退職金、社会保険、担当エリア、インセンティブ、役職、属人的な手当を整理します。口頭で決まっている慣行がある場合も、M&Aの準備では確認しておく必要があります。従業員が安心して働ける条件を候補先と共有できれば、譲渡後の離職リスクを下げやすくなります。

営業担当者が主要取引先を深く持っている場合、その担当者が残るかどうかで候補先の評価が変わることがあります。ただし、従業員へ早く伝えすぎると不安が広がることもあります。誰へ、いつ、どの範囲で説明するかを計画し、代表者がどのように同席するか、候補先がどのような雇用方針を示すかを整理します。人材承継は、商社・卸M&Aの成否を左右する重要な論点です。

秘密保持と段階開示は、法人取引の信用を守るために不可欠です

商社・卸売業では、社名が分かるだけで、主要商品や取引先が推測されることがあります。特に八重洲・東京駅周辺のように、金融機関、士業、同業者、顧客企業が近く、紹介や評判が回りやすい地域では、情報の出し方に注意が必要です。初期相談では、社名、取引先名、仕入先名、担当者名、価格表、個別粗利、在庫明細を伏せた状態で、事業概要を整理します。

ノンネーム資料では、業種、取扱商品、地域、売上規模、利益水準、取引先構成、仕入先構成、従業員数、譲渡理由の方向性を抽象化します。候補先が関心を示した後、秘密保持契約を締結し、段階的に情報を開示します。この段階でも、全ての資料を一度に渡す必要はありません。まずは概要資料、次に決算書、面談後に取引先別売上や仕入条件など、開示範囲を分けます。

秘密保持は、候補先だけでなく社内にも関わります。誰まで検討を共有するか、従業員へいつ説明するか、主要仕入先へいつ相談するか、税理士や金融機関へどの段階で共有するかを決めておきます。説明が早すぎると不安が広がり、遅すぎると信頼を損なうことがあります。商社・卸売業では、取引先の信用が売上に直結するため、説明時期の設計がとても重要です。

譲渡企業様の費用は、成功報酬まで0円であることを確認します

商社・卸売業の会社売却を考えるとき、譲渡企業様が最初に不安を持ちやすいのが費用です。着手金が必要なのか、中間金が発生するのか、成約時の成功報酬がどの程度になるのか。中小企業では、相談を始めるだけで高額な費用がかかるなら検討できないと感じる経営者様も少なくありません。

八重洲M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・成功報酬をいただかない方針です。候補先探索や初期相談の段階で、譲渡企業様に当社報酬が発生する前提ではありません。大手他社では最低成功報酬が2,500万円などに設定されるケースもありますが、当センターでは譲渡企業様が費用面を理由に検討を止めることがないよう、費用方針を明確にしています。詳しくは譲渡をご検討の企業様向けページをご確認ください。

ただし、費用0円という説明は、全ての外部費用が常に不要という意味ではありません。弁護士による契約書確認、税理士による税務確認、公認会計士による財務確認、司法書士による登記、社会保険労務士による労務確認、貿易、許認可、契約承継、労務の確認など、外部専門家へ個別に依頼する費用は案件により発生する可能性があります。当社報酬と外部専門家費用を分けて説明することで、譲渡企業様が判断しやすい状態を作ります。

候補先は、価格だけでなく商流を守る姿勢で選びます

商社・卸売業の候補先には、同業の専門商社、メーカー、卸売会社、物流会社、海外展開を考える企業、法人向けサービス会社、投資会社、地域の中堅企業などがあります。同業は商流への理解が早い一方で、既存取引先や仕入先との重複に注意が必要です。メーカーが候補先になる場合は、販売チャネルの強化を期待できる一方で、他メーカー商品の扱いをどうするかが論点になります。

価格はもちろん大切ですが、価格だけで候補先を選ぶと、譲渡企業様が守りたいものが守れない場合があります。従業員の雇用、取引先への説明、仕入先との関係、在庫の扱い、ブランドや屋号、代表者の引継ぎ期間、未回収債権への対応など、条件面を合わせて検討します。候補先がどのような質問をするかも重要です。取引先、従業員、商流への配慮がある質問をする候補先は、譲渡後の運営にも慎重である可能性があります。

初期打診では、社名を伏せた案件概要で関心を確認します。その後、秘密保持契約、面談、資料開示、条件交渉へ進みます。譲渡企業様が守りたい条件を先に整理しておけば、価格交渉だけに流されにくくなります。八重洲・東京駅周辺の商社・卸M&Aでは、法人取引の信用と仕入先との関係を崩さない順番で進めることが、結果的に条件面の安定にもつながります。

株式譲渡と事業譲渡は、契約承継と取引先承諾で選び方が変わります

中小企業M&Aでは、株式譲渡と事業譲渡のどちらが適しているかを確認します。株式譲渡は会社そのものの株式を移す方法で、取引基本契約、従業員、許認可、売掛金、買掛金、在庫が会社に残るため、商流の引継ぎが比較的分かりやすい場合があります。一方で、過去の債務、滞留債権、在庫評価、クレーム、契約上の制限なども会社に残るため、候補先は確認を慎重に行います。

事業譲渡は、特定の商品群、取引先、在庫、営業権、設備を選んで移す方法です。不要な資産やリスクを切り分けやすい一方で、仕入先や得意先との再契約、従業員の転籍、倉庫契約、物流契約、販売代理店契約、輸入者名義、決済サービスの名義変更が必要になることがあります。商社・卸売業では、取引基本契約の承諾が実務上の大きな論点になるため、形式だけを先に決めるのではなく、契約と商流の実態を見て検討します。

個人保証や借入の扱いも重要です。在庫資金、運転資金、輸入決済、当座貸越、手形割引、保証協会付き借入がある場合、譲渡後にどう整理するのかを確認します。代表者の個人保証を外せるか、金融機関へいつ説明するか、与信枠をどう扱うかは、税務、会計、法務、金融機関との調整が関わります。必要に応じて外部専門家と連携しながら、譲渡企業様が不利なまま進まないように確認します。

価格の説明は、正常収益と運転資金を分けて考えます

商社・卸売業の譲渡価格を考えるとき、過去の営業利益や純資産だけを見て結論を出すと、実態とずれることがあります。代表者の役員報酬、親族人件費、不要な保険料、個人利用に近い経費、販売奨励金、スポット粗利、為替差益、滞留在庫の評価、貸倒引当の不足などを整理します。候補先が知りたいのは、譲渡後も同じ水準の収益が再現できるかどうかです。

商社・卸売業では、利益と同じくらい運転資金が重視されます。売掛金の回収が遅く、在庫を多く持ち、仕入先への支払いが先に来る会社では、事業を続けるために一定の資金が必要です。反対に、受注後仕入が中心で在庫負担が軽い会社、前受金や短い回収サイトで回っている会社は、資金繰りの安定性を説明しやすくなります。価格交渉では、正常な在庫水準、正常な売掛金、正常な買掛金をどう見るかが論点になります。

譲渡企業様として希望価格を持つことは自然です。ただし、希望価格だけを先に示すよりも、なぜその価格を希望するのかを説明できる方が交渉は進みやすくなります。取引先との継続性、仕入先との契約、在庫の質、営業担当者の定着、代表者の引継ぎ関与、金融機関との関係など、価格の根拠になり得る要素を整理します。価格は交渉で決まるため保証はできませんが、根拠が明確であれば候補先も検討しやすくなります。

譲渡後100日を想定すると、取引先説明が現実的になります

商社・卸売業のM&Aでは、成約日だけでなく譲渡後100日を想定することが大切です。最初の一週間で従業員へ何を説明するのか、主要取引先へいつ伝えるのか、仕入先へ誰が挨拶するのか、倉庫や物流会社へどの順番で連絡するのか、受発注システムの権限をいつ移すのか。こうした実務が曖昧だと、譲渡後に商流が混乱します。

候補先との面談では、譲渡後も残すものと、時間をかけて変えるものを分けて話します。商品ラインナップ、価格表、納期回答、営業担当、請求書発行、在庫補充、仕入先への発注方法、顧客への見積書様式など、急に変えるべきではないものがあります。取引先が安心して発注できるよう、変化の順番を設計します。

譲渡企業様にとっても、譲渡後100日の計画は安心材料になります。代表者がどの程度関与するのか、営業同行を行うのか、主要仕入先への挨拶に同席するのか、従業員の相談窓口を誰にするのかを確認できます。M&Aは契約締結で終わるものではありません。商社・卸売業では、契約後の取引継続が事業価値を守るために特に重要です。

初回相談前に確認したいチェックリスト

初回相談の前に、完璧な資料をそろえる必要はありません。まずは直近三期分の決算書、直近月までの試算表、得意先別売上、仕入先別仕入、商品カテゴリ別粗利、在庫一覧、売掛金年齢表、買掛金一覧、主要契約書、従業員一覧、倉庫契約、物流契約、輸入関連資料を確認できれば十分です。資料が未整理でも、どこに何があるかを把握するだけで相談は進めやすくなります。

次に、譲渡企業様として守りたい条件を書き出します。従業員の雇用、取引先への説明方法、仕入先との関係、屋号やブランド、代表者の引退時期、親族の関与、借入や個人保証、在庫の扱い、未回収債権、地域での信用などです。条件が全て通ると保証できるわけではありませんが、優先順位が明確であれば、候補先との対話が進めやすくなります。

さらに、誰まで検討を共有するかを決めます。代表者だけで進めるのか、営業責任者、経理担当、購買担当、外部税理士、家族と共有するのか。共有範囲が曖昧なまま資料作成を始めると、意図せず情報が広がることがあります。八重洲M&A総合センターでは、初期相談の段階から秘密保持、資料整理、候補先への打診範囲を確認し、譲渡企業様が落ち着いて検討できるように進めます。ご相談はお問い合わせフォームから受け付けています。

中小企業M&Aでは、説明責任や利益相反への配慮も大切です。候補先へ何を伝え、何をまだ伏せるのか、譲渡企業様が不利な判断をしないようにどの情報を整理するのかを確認します。進め方の基本は中小M&Aガイドライン遵守の考え方にも沿って整理します。商社・卸売業は取引先と仕入先への影響が大きいからこそ、急がず、順番を決めて進めることが重要です。

まとめ:商社・卸M&Aは、商流の信用を守る準備から始めます

八重洲・東京駅・日本橋・京橋周辺の商社・卸売業がM&Aや会社売却を検討するとき、重要なのは、社名や取引先名を早く広げることではありません。得意先、仕入先、在庫、与信、回収条件、支払条件、外為、物流、従業員、秘密保持を順番に整理し、候補先へ伝える情報と守る情報を分けることです。商社・卸売業の価値は、決算書の数字だけではなく、日々の納期対応と法人取引の信用の中にあります。

譲渡企業様が最初から全てを決める必要はありません。会社を譲渡するかどうか、希望価格をどう考えるか、候補先をどの範囲で探すか、従業員や取引先へいつ説明するかは、初期相談を通じて整理できます。大切なのは、急いで結論を出すことではなく、将来の選択肢を比較できる状態にすることです。

八重洲M&A総合センターでは、譲渡企業様の着手金・中間金・成功報酬を0円とし、秘密保持を前提に初期相談を行います。外部専門家費用は案件により確認しながら、必要な範囲を分けてご案内します。商社M&A、卸売業M&A、法人取引M&A、八重洲M&A、東京駅周辺の会社売却を検討している経営者様は、まずは匿名の段階で、自社の取引先、仕入先、在庫、与信、費用、秘密保持の論点を整理するところから始めてください。

早めに準備しておけば、今すぐ譲渡しない場合でも、在庫圧縮、取引先別採算、仕入先との契約整理、営業担当者の属人性解消、金融機関との関係整理を含めた経営判断がしやすくなります。社名を出す前に準備することで、噂や不安に先回りし、従業員と取引先の信頼を守ったまま選択肢を比較できます。準備の早さは、急いで売却することではなく、落ち着いて判断するための余裕を作ることです。経営者様自身が判断材料を持つことで、候補先との面談でも必要以上に急かされず、自社に合う進め方を選びやすくなります。

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